富士山まめ知識
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富士山の自然現象を知ろう!
観天望気
観天望気とは?
空に浮かぶ雲の形、風、気温、遠くの景色の見え具合などの、大気中の自然現象の変化から、これから先の天気変化を予測する天気予報の一手法じゃ。
また、観天望気は、古くから、天気に大きく左右される農業や漁業の方々の生活の知恵として、その土地ごとの「ことわざ」として言い伝えられてきた。
安全な富士登山の一助となるよう、観天望気を一部紹介ぞ!
(ナビゲーター:いまふじぃ~さん)
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観天望気No.01
「笠雲(かさぐも)」
富士山に発生する特徴的な雲の中で代表的な一つが「笠雲」じゃ!笠雲は、編み笠をかぶったように山頂周辺を覆うんじゃ。「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」などと昔から言われておるぞ~!
実際、笠雲がかかったあと、24時間後までに雨となる確率は、春秋…約70%、夏…約75%、冬…約70%だそうじゃ!昔の人はあながち間違っておらんな。
すごい観察力じゃ! -
観天望気No.02
「吊るし雲(つるしぐも)」
もうひとつ、富士山に発生する特徴的な雲が「吊るし雲」じゃ!吊るし雲は、山の風下側にでき、空飛ぶ円盤のような滑らかな形状なんじゃ。
地元では吊るし雲の事を“雨俵(あめだわら)”と呼んでいるそうじゃ。笠雲と吊るし雲が同時に現れると雨の確率は、約80~85%だそうじゃ!こりゃ、要注意じゃ!
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観天望気No.03
「鉢巻雲」と「帯雲」
富士山の付近に住んでいる人達の言い伝えの中に、「富士山が鉢巻をすると雨、帯を結ぶと雨」というのがあるのじゃ。
横に長く伸びた雲が、八合目位に現れるのが「鉢巻雲」、五合目位に現れるのが「帯雲」じゃ。富士山は笠をかぶったり、鉢巻をしたり、帯をしめたりと、人みたいで面白いのう!
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観天望気No.04
「山頂は強風」
「笠雲」と「吊るし雲」ができているときは、麓で雨が降っていなくても、山頂は強風で吹き荒れておるのじゃ。
笠雲と吊るし雲が二重、三重になるときは、大荒れの天気になることがあるぞ。登山前に山頂付近を見て、これらの雲がないか確認するのじゃ。天気が崩れるときは、登山計画を見直すと良いぞ。麗でゆっくりしながら、珍しい雲を眺めてみるのはいかがかな。
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観天望気No.05
「天気が回復する場合」
低気圧が通過した後に笠雲ができる場合は、次第に笠雲が小さくなって消えていくことが多いのじゃ。その後、天気が回復していくのじゃ。
もし笠雲が出ていた場合は、天気図と併せて雲を見ることで、天気が崩れるときと崩れないときの違いが分かるのじゃ。天気図も併せて要チェックじゃぞ!
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観天望気No.06
「笠雲、吊るし雲の発生原理①」
笠雲と吊るし雲は、
・上空に常に供給される湿った空気が存在する時
・上空の風が強い時
に現れやすいのじゃ。
どちらの雲も山岳波という空気の波によって発生するのじゃ。なるほどの~!
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観天望気No.07
「笠雲、吊るし雲の発生原理②」
No.06の図1を見て欲しいのじゃ。
レンズ雲は、凸レンズのような形をしており、笠雲も吊るし雲もレンズ雲の一種なんじゃ。
上空の大気が安定していると空気中の波が風下側に伝わりやすくなり、レンズ雲ができやすくなるんじゃ。
富士山では西風や南西風が強まるときにレンズ雲ができやすいのじゃ。
東側や北東側にあたる山中湖や須走口上空で見られることが多いぞ。一度は見てみたいの~。
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観天望気No.08
「笠雲、吊るし雲の発生原理③」
No.06の図1を見て欲しいのじゃ。
波が上昇するところで雲ができ、下降するところで雲が消えるのじゃ。
山岳波が山を越えるときにできるのが笠雲で、山を越えた後の風下側に伝わることで生まれるのが吊るし雲となるんじゃ。気象は面白いの!