特集記事
山頂に登らなくても楽しさ無限大!
イベント・絶景で富士山周辺を遊び尽くす『御殿場流』の過ごし方とトレステの物語
「富士山といえば、一生懸命に山頂を目指して登るもの」
――そんなイメージを持っていませんか?実は、一番タフな登山道として知られる「御殿場口」はいま、山頂に登らなくても1日中楽しめる、新しい富士山観光の拠点として大きな注目を集めています。
今回は、御殿場口新5合目で「マウントフジトレイルステーション(通称:トレステ)」を運営し、街と山を繋ぐ様々な仕掛けを行っている富士山ツーリズム御殿場実行委員会の事務局運営をしているリージョンポート合同会社代表田近さんと山口さんにお話を伺いました。
日本最古のトレラン文化から、SNSでバズる絶品かき氷、夜空を彩るナイトマーケットまで、富士山周辺の滞在時間を何倍も楽しくする「御殿場のスマートな過ごし方」をご紹介します!
POINT 01
リージョンポート合同会社代表 田近さん
5合目は天然のプラネタリウム!
登山をしなくても五感で感動できる周辺の隠れスポット
「御殿場口新5合目は標高1,440メートル。実は、上まで登らなくても感動できる景色がたくさんあるんです」と田近さんは微笑みます。
たとえば、5合目の駐車場から深夜に見上げる星空。空気が澄んだ御殿場口では、肉眼でくっきりと天の川が見えるほどの天然のプラネタリウムが広がります。また、朝早くに5合目を訪れれば、眼下に広がる見事な雲海や、箱根山系までを見渡す大パノラマを堪能できます。
双子山(ふたごやま)
御殿場口新5合目のすぐ近くにそびえる双子山は、富士山の側火山(寄生火山)の一つです。別名「二ツ塚(ふたつづか)」とも呼ばれています。
運動靴と飲み物さえあれば、1時間半ほどで気軽にトレッキングが楽しめるおすすめスポットです。
富士山自然休養林
5合目のすぐ横に広がるハイキングコース。溶岩でできた絶壁や溶岩隧道(トンネル)が見られるほか、樹齢300年を超える大きなブナの原生林、珍しい鳴き声の鳥たちが集まる野鳥の聖地でもあります。
「山頂を目指す過酷な登山だけが富士山じゃない。ふらりと立ち寄って、美味しいものを食べたり自然に触れたりするだけでも、最高の思い出が作れますよ」
POINT 02
トレランの聖地から音楽フェス、夜の街の賑わいまで。
御殿場を彩る一大イベント
御殿場口には、実は昔から「山を駆け抜ける独自の文化」が息づいています。毎年8月第1週に開催される「富士登山駅伝」は、御殿場市内から富士山頂を往復する、日本最古の富士山レース。大砂走りを凄まじい迫力で駆け下りるランナーの姿を見に、5合目がごった返します。
リージョンポートでは、この伝統的な走る文化をバックボーンに、さらに現代的なイベントへと発展させています。毎年4月末には、国内外から多くの参加者が集まるトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100」の共同代表として実施。ランナーたちは体力が凄まじいだけでなく、山でゴミ拾いをしてくれたり、困っている登山者を助けてくれたりする、御殿場口の心強いパートナーでもあるそうです。
さらに、街を盛り上げる取り組みは山の上だけに留まりません。
ACO CHiLL CAMP(アコチルキャンプ)
5月に開催される、家族向けの心地いいエントリー向け音楽フェス。
御殿場の夏の風物詩ナイトマーケット
夏の開山期に合わせて御殿場駅前で行われる、イルミネーションとナイトマーケットの風物詩。もともとは地元の高校生が「夏にもイルミネーションがあったらいいのに」と発案したことがきっかけで始まりました。
昔は「山の上(5合目)」と「麓の街なか」の繋がりが薄かった御殿場ですが、これらのイベントや山口さんたちの案内によって、登山帰りの人々が夜の街のマーケットに寄り道していくなど、山と街の距離が劇的に近づいています。
POINT 03
始まりは「テントひと張り」から。
山と街を繋ぎ、安全を守る『トレイルステーション』の役割
これらすべての交流の窓口となっているのが、御殿場口新5合目のコミュニティスペース「トレイルステーション(通称:トレステ)」です。
今では年間およそ8万人(観光やハイキング、トレラン勢を含む)が訪れる賑やかな場所ですが、2013年の世界遺産登録の年、ここには本当に何もありませんでした。「何もないのは寂しいし、世界中から来る人を温かく迎えたい」そう一念発起した田近さんと山口さんは、行政と相談し、わずか9日間だけの「テントひと張りと椅子数脚」から活動をスタート。毎日、夜中の2時に5合目に行ってテントを設営し、夜になったら撤収するという過酷な日々を続けました。その泥臭い努力に、利用者から「よくやってくれた」「あって本当に良かった」と感動の声が寄せられ、現在の常設ステーションへと繋がっていったのです。
御殿場口新5合目トレイルステーション運営代表 山口さん
現在のトレステは、毎年県外から会いに来てくれるファンが集まる温かいコミュニティ拠点であると同時に、安全登山の砦でもあります。特に役立っているのが、リアルタイムの山の気象状況を可視化する「イマフジ」のデータです。
「御殿場口新5合目は標高が低いため、下は穏やかで晴れていることも多いんです。でもイマフジの画面を見せながら『今、山頂は風速20メートル吹いていて、こんなに危険な状況ですよ』と具体的に提示すると、軽装のインバウンドの方や初心者の方も『じゃあ今回はやめよう』と納得してくれます。無理な登山を思いとどまらせ、安全を守るために、イマフジのデータはめちゃくちゃ活躍しています」
コラム未来へ繋ぐコラム:私たちがイベントやまちづくりを続ける理由
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「地域活性化やまちづくりという言葉をよく使われますが、私たちが本当にやりたいのは『次世代の人づくり』なんです。自分の子どもも含めた若い世代が、ずっとこの御殿場に住み続けたい、ここで働きたいと思えるような、格好いい会社や魅力的な街を残してあげたい。私たちが生きている間にできるのはそのきっかけ作りですが、地域の港(リージョンポート)として、これからも格好いい場所を作り続けていきます」
その他関連リンク
SUMMER ILLUMINATION and GOOD NIGHT in GOTEMBA Sta.
[URL:https://www.city.gotemba.lg.jp/appeal/appeal-p-info/15398.html]
御殿場駅前を舞台に、光・音楽・食・マーケットが楽しめる夏のナイトイベント。
リージョンポート合同会社
regionport.llc
PROFILE
リージョンポート合同会社は、静岡県御殿場市を拠点に、広告・Web・イベントを軸としたクリエイティブ事業を展開。トレイルランニングレース「Mt.FUJI 100」や、音楽とアウトドアの祭典「ACO CHiLL CAMP」、御殿場駅前で開催する「GOOD NIGHT in GOTEMBA Sta.」などの企画・運営を通じ、富士山や御殿場の魅力を全国へ発信し、地域活性化に取り組んでいます。